特別講師をお招きしたオフピッチとオンピッチの講義の様子をお届けします。
『Nike FC presented by Soccer Shop KAMO』の活動の第9回目は、千葉県 中央学院大学 サッカー部にて実施。
NIKE FOOTBALL ACADEMY オフピッチ KICK OFF。
オフピッチでは、「一般社団法人行動評価システム研究所」斉藤氏が、
『視覚能力を鍛えてスポーツ脳を向上させる。』というテーマで講義。
一流選手の能力を紹介し、視覚・認知能力とは何かについて説明。
【一流選手の脳】
足の親指を動かす際の脳活動を比較した際
アマチュア選手は広い範囲で脳活動を行っているが、一流選手は脳活動の小ささが顕著である。
これは少ない運動野活動で足運動を制御出来ていることが確認出来る。
近づいてくるディフェンダーをかわしてシュートするイメージをした際には、
実運動を行っていないため、アマチュア選手の脳活動は小さいが、
一流選手は脳活動が大きくなっておりイメージでもしっかりと脳活動を行っている。
【一流選手の脳の実行機能】
指定された文字を目で追う脳テストでは驚異的な速さで状況判断を行っていた。
常に頭を動かし対象を目で追っている事が分かり、大脳基底核が優れている事が判明。
5つの点を異なるパターンで結ぶ脳テストではアマチュア選手の倍以上の結果。
これはイメージが豊富で即興性に優れている事が分かる。
【視覚・認知トレーニング】
スポーツビジョン 目の8項目
①静止視力
②KVA動体視力(前後の動体視力)
③コントラスト
④深視力
⑤瞬間視力
⑥DVA動体視力(横の動体視力)
⑦眼球運動
⑧目と手の協応動作
「静止視力」「KVA動体視力」「コントラスト」「深視力」は鍛える事が出来ないが、
「瞬間視力」「眼球運動」「DVA動体視力」「目と手の協応動作」は鍛える事が出来る。
一流選手はDVA動体視力が優れていると言われている。
【知覚認知能力】
知覚:様々な感覚情報を自覚的な体験として再構築する処理。
認知:対象を知覚した上で判断・解釈をする過程
目からの情報が80%である中、目が良くとも判断出来なければ意味が無いので、
トレーニングを行う必要がある。
【神経路(見る~動作まで)】
視覚によるフィードバックは150~189msと言われている。
様々な脳活動を通り動作の実行がされるが
前頭連合野(前頭葉):目標を判断し、動作を決定の動きが重要である。
【認知機能】
認知機能は注意・ワーキングメモリ・視覚情報の処理速度であると考えられている。
様々な能力が関係しているがトレーニングで向上する事が出来る。
【ニューロトラッカー】
3D複数対象追跡訓練で、脳神経科学の研究から生まれた知覚認知能力トレーニング。
脳の視覚処理システムを活性化し、脳の神経のつながりを向上させる事が可能。
目で見る✖ 脳で見る○
反復練習でフィジカルスキルを習得する事と同様に、
ニューロトラッカーで知覚認知能力、特に周辺視野を効率よく鍛える事が可能。
【ニューロトラッカーの効果】
・注意力の向上
・記憶力の向上
・判断力の向上
・脳の活性化
・感情のコントロール
サッカーに必要な能力が向上する事で、常にスピードにあふれるプレーを実行する事が可能。
【基礎トレーニング】
◆眼球運動トレーニング
・親指フォーカストレーニング
・10本指フォーカストレーニング
・カレンダートレーニング
◆DVA動体視力トレーニング
・電車トレーニング
◆周辺視野トレーニング
・ボールリフトトレーニング
【ビジョントレーニングの効果】
トレーニング効果は2ヶ月で実感出来る。週に3回、1日10分~15分を目標
慣れたら負荷を高めてトレーニング
トレーニングで前頭葉の血流量が上がり脳が活性化するので、
柔軟体操と同じく練習前に毎回やる事が重要。
プロ選手も取り入れている選手が多く、継続が必要。
トレーニングでライバルの差をつけ、知識を実践する事が重要。
NIKE FOOTBALL ACADEMY オンピッチ KICK OFF。
オンピッチ講師は大久保氏。
講義テーマは「スピード」
トレーニングは3×3、6×6、8×8。
スピードと判断を意識して行うように選手達に伝えた。
・3×3
オフェンス選手のバイタルエリアでの崩し。
オフェンスの選手は常に動きでフェンスの選手をだます事、ゴール前の冷静さの重要性を説明し、
ゴールが見えたらシュートをする事でディフェンスのギャップを作り出す事が出来る。
意識すべき点を指導。
クロスに対して中央に厚みを持たせるためにキーパーとディフェンスの間に入る。
瞬時に判断してプレーする事でスピードを上げる。
味方ばかりを見ず、ディフェンスを見ながらプレーする。
大久保氏が実際にプレーしながらポイントをレクチャー。
判断が遅れてパスがギリギリになっている選手が多いが、
ディフェンスによせられている時はシンプルにプレーする事が必要。
判断を早く行いパスを出す事でプレーに余裕が生まれて、
ディフェンスのギャップを作り出す事が重要。
ディフェンスがよせにこない時はパスを回して走らせる事も必要。
よせに来たときに生まれるギャップを使う動きを意識する。
・6×6
判断スピードとシンプルなプレーを意識。
縦パスが入った時がオフェンスのスイッチとなる。
ボールウォッチャーだと何も生まれないので、ボールホルダーをサポートする事、
空いてるスペースを見て動き出す事が重要。
ディフェンスの選手は追うだけでなくもう一歩よせる意識を持つ。
大久保氏よりアドバイス。
ばたばたした動きやスプリントが多いので、顔を上げてもう少しゆっくりとプレーして落ち着く事が重要。
ボール保持の時や余裕がある時には歩く意識を持つ事も必要。
ゴール前でもボールを下げてしまうシーンがあるが、
空いたスペースを常に見る事、サイドハーフとサイドバックが連動して動く事で
自分たちでスペースを空ける事でペナルティの角をとる。
崩せると判断した時はリスクを負ってプレーする意識を強く持つ。
・8×8
ここまでのトレーニングを実践。
ゆっくりと落ち着いて、周りを見る。
味方だけでなくディフェンスを見る。
1対1の関係ではなく連動して崩す。
サッカーに正解はないので自分で考えて判断する重要性を伝えた。
プレーを止めて指導。
ボールしか見ていないので、サポートする選手の目的がはっきりしていない。
誰をサポートするのか、何をサポートするのかを考えて明確にする事が必要。
パスが出てこない時は動いてパスを呼び込む。
前線とサイドの選手が動いてディフェンスの裏を狙う意識を持つ。
攻め急がずにシンプルにパスを出してサポートする動きを繰り返して
チームのプレーを整えてからやり直す事が重要。
大久保氏から改善点の説明。
ディフェンスの間に動いてパスを呼び込む事を意識してプレーする。
特にボランチの選手は間にポジションをとる事が重要。
目的の無い動きはチャンスに繋がりにくいので、何をするかをはっきりさせてプレーする。
「無理して攻めるプレー、考えすぎてボールを持ちすぎるプレーもが多くてもったいない。」
「周りが見えていない時はダイレクトで戻して周りを確認してからやり直す。
急ぐ事でスピードが出ていないので、落ち着いてゆっくりとプレーしよう。」と締めくくった。
NIKE FOOTBALL ACADEMY 各講義終了後は全員で集合写真。
次回の『Nike FC presented by Soccer Shop KAMO』もご期待ください。