従来のスパイクのデザインは、スケッチから始まります。しかし、新しいスパイクのファントム ビジョンには、伝統的な要素は全くありません。今までとは違うより良いもの作るため、ブーツ作りを内部から考えることに。
それがこのファントム ビジョンからフットボールスパイクに採用され、今後他のナイキフットウエアにも用いられる、新しい独自の製法につながりました。

ほとんどの足の形によく馴染んでフィットし、形を維持して伸びすぎることのない、シューズの内側に用いるクワッドフィットメッシュブーティを開発。
クワッドフィットは繊維が4方向に伸縮することでプレイヤーの足に馴染み、全方向へのサポートを提供。これはそれぞれの繊維の間に隙間があることにより作用します。その隙間が足の荷重を分散させ、摩擦を抑えます。その結果、一人一人大きく異なる足の形にも関わらず、優れたフィットを提供できるようになりました。
そのため、ファントム ビジョンはスパイクを履き慣らすことなく、新品でも試合にすぐに使える状態になっています。

様々なデータを分析した結果、一人一人のプレイヤーが求める自分にあったフィットを提供するためには、シューレースの使用が望ましいことがわかりました。
これまでのシューレースをより良くするため、ゴーストレースは足との接触点を最低限に減らし、一度紐を引くことで前足部まで均等にシューレースの圧が分散するような構造に作りました。シューレースは目立たないように折り込むことで、打球面が均等になる特徴も持っています。

インサイド部分にある三角形の立体面は、NSRL（ナイキスポーツ研究所）のボールコントロールに関する研究データを元に配置。
この三角形は、踵骨、距骨と、第一中足骨頭という、足の3つの大きな骨の間の面をだいたい覆うように描かれています。これはボールコントロールにとってとても重要とされるエリアであり、優れたボールタッチを実現するため、この部分が直感的にわかるようにデザインしているのです。

FGモデルは、全く新しくFEA（有限要素解析）をもとに開発したトラクションパターを特徴とし、あらゆる方向への素早い動き出しに対応しています。
必要な部分のサポートを高めた軽量で反発性に優れたプレートが、スタッドを支えるとともに、シューズ自体の軽量化にも貢献しています。