TIEMPO TOUCH ACADEMY

INTERVIEW

@興國高等学校 2023.8.22 Tue.

小林 新也 合同会社シーラカンス食堂 / MUJUN
代表社員・クリエイティブディレクター・デザイナー

サッカーショップKAMOがNIKEと共に立ち上げた
『Nike FC presented by Soccer Shop KAMO』の活動の
第5回として訪れた興國高等学校。

“TIEMPO TOUCH ACADEMY”と題した今回の企画について、
オフピッチ(精神面)の講師としてお招きした小林氏にインタビューを行いました。

  • 若い世代に伝えることが重要

    ーオフピッチで講義を行う話が来た際、率直にどのように感じましたか?

    小林: 教育に興味があり、若い世代に自分の取り組みを伝えることがすごく重要だと思うので、是非とお受けしました。

    ー高校生への講義に向けて特別な準備や工夫はされましたか?

    小林: 講義内容はぎりぎりまで悩みました。
    デザイン経営の講義などをしていますが、基本的に社会人向けなので言葉が違いすぎて若い子には伝わりにくいと思います。難しすぎると疲れて眠くなると思うので、関係ない話から始めることや写真を多く文字を少なくする工夫をしました。

  • “オリジナリティとアイデンティティ”を意識する

    ー“伝統と革新”は一見相反する言葉と感じますが、それぞれの重要性や考えを教えてください。

    小林: 伝統産業での話になりますが、当たり前化することで、普遍的な本質を当事者が考えなくなり、他人に指摘されるまで気づけなくなります。
    自分で気づけないので、時代の流れや競合他社などの影響で売れなくなった際に「古臭いからダメだ」と本質の否定に繋がります。本質はそのままでアプローチや見せ方、ターゲットのお客様を変えるだけで売れる可能性があります。
    売れることで、お客様の声を聞いて商品開発する本来の形となり革新に繋がるので、本質を考えることが重要だと思います。

    伝統と革新のバランスよりも“オリジナリティとアイデンティティ”を意識しています。
    “アイデンティティ”は他との差別化で重要ですが、“オリジナリティ”を残す必要もあると思います。ただし、時代は変わり多様化するからこそ変わる必要と産業を続けるために売る必要があるので、僕は割とドライに捉えています。

  • 素晴らしい“革新”

    ー【TIEMPO LEGEND 10】は素材が天然皮革から合成皮革へ変更されました。このような“革新”をどう感じますか?

    小林: 新素材によって従来の機能性をしっかりバックアップできていれば素晴らしい“革新”だと思います。
    加えて社会は変化するので、使用中の素材が使えなくなることやSDGsなどの環境問題を意識することはとても重要だと思います。
    新素材を使用することは“革新”ですが、本質を理解していれば“伝統”は残りますので、違う商品になったとは思いません。

  • 行動しながら考えるデザイン思考

    ー“伝統と革新”の講義を通してどのような思考になってほしいですか?

    小林: デザイン思考です。全てを受け入れるだけでなく、自分で課題を見つけて目標設定をし、目標に向かってプロセスを組み立て行動できる人になってほしいです。
    行動する前から完璧な答えを考えるのではなく、行動しながら考えることが究極のデザイン思考だと思います。

  • 本質を理解するために当たり前を疑う

    ー講義を受けた選手たちに伝えたいことを教えてください。

    小林: サッカーが好きなのは大事ですが、上手くなるためにサッカーの練習ばかりしても良くないと思います。サッカー以外のことに夢中になることでヒントを得ることがあるので、サッカー一筋になりすぎないことも大切だと思います。

    現状に甘えれば“革新”は出来ません。もっと良い練習をするためにデザイン思考を忘れないでください。
    物事には意味があるので、何に対しても「なぜ?」と問いかけ、本質を理解するために当たり前を疑うことを継続して、新しい時代をつくってほしいです。

OTHER INTERVIEW
 

心を弾ませ真摯に取り組んでくれた選手たちとのオフピッチとオンピッチの講義の様子をレポートでお届けします。

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