NIKE FOOTBALL ACADEMY

INTERVIEW

@中央学院大学 2024.08.28 Wed.

斉藤 嘉子 一般社団法人行動評価システム研究所

サッカーショップKAMOがNIKEと共に立ち上げた
『Nike FC presented by Soccer Shop KAMO』の活動の
第9回として訪れた千葉県 中央学院大学サッカー部。

“NIKE FOOTBALL ACADEMY”と題した今回の企画について、
オンピッチの講師にお招きした
斉藤 氏にインタビューを行いました。

  • 座学は絶対に必要

    ー特別な講師をお呼びしてオフピッチとオンピッチで講義を行う『Nike FC presented by SOCCER SHOP KAMO』の取り組みはどう思われますか?

    斉藤: スポーツにおいてもフィジカルだけでなくメンタルや脳のトレーニングも大事だと思います。
    メンタルや脳のトレーニングの重要性は認識されている方も多いですが、取り入れている方は少ないので、座学は絶対に必要だと思っております。

    ー脳のトレーニングはどの様な効果がありますか?

    斉藤: プロ選手にもトレーニングさせて頂いておりますが、選手の性格によって波がありますので、トレーニング効果の感じ方は異なります。
    ストイックな選手や意識の高い選手は、自ら新しいトレーニングなどを積極的に取り入れようとする姿勢がありますので重視されている方が多いと思います。
    感覚派の方は重視されていな方もおりますが、その方にはとっては伸び代だと思いますので、是非取り入れてほしいと思います。

  • 視覚で捉えた情報を脳でどの様に処理していくかが重要

    ースポーツビジョンを具体的に教えてください。

    斉藤: 我々のビジョントレーニングでは、スポーツビジョン目の8項目に着目しております。
    広く知られていないですが、目には視力だけでなく、動体視力・縦動体視力・横動体視力など8項目があり、スポーツビジョンを測定できる施設は全国に2か所程度しかありません。
    目から入る情報は80%と言われているので、視覚で捉えた情報を脳でどの様に処理していくかが重要です。

    ー脳の働きも必要なのですね。

    斉藤: 一流選手とアマチュア選手では脳の働きが違う事が分かっています。
    具体的にどう様に鍛えていくかはまだ知られてない部分ですので、講義では手掛かりの1つとして、我々のビジョントレーニングとニューロトラッカーを行い、視覚認知能力のトレーニングを体験頂きました。

  • ー特に重要な項目はありますか?

    斉藤: 8項目の中で、鍛えられる能力と鍛えられない能力があります。
    鍛えられる4項目を毎日の準備運動と同じくトレーニングする事が重要です。
    目だけでなく、脳の活性化についても講義しましたので、この部分も着目してトレーニングしてほしいと思います。

    ー日常生活で行えるトレーニングを教えてください。

    斉藤:目を動かす親指フォーカストレーニングはプロ選手でも取り入れている選手が多いトレーニング方法になります。
    周辺視野トレーニングは、正面を向いてまっすぐ立ち、両手でボール投げてキャッチするトレーニング方法があります。この時にボールを目で追うのではなく周辺視野で捉える事で鍛える事が出来ます。
    あとは、カレンダーの1日から31日までを1日→31日、2日→30日・・・のように目で追いかける、電車に乗っている時に電柱を目で追いかけるなど日常場面でも目を動かすトレーニングを心がける選手は多いです。

  • 視覚認知能力を高める事に繋がります

    ーニューロトラッカーについて教えてください。

    斉藤: ニューロトラッカーは、カナダ・モントリオール大学ジョスリン・フォーベー教授がニューロトラッカー社と開発された複数対象追跡(MOT)訓練となります。
    視覚認知能力を鍛える3DMOTトレーニングでは、3D空間で球体を目で追いかけて、スピード鍛えるのですが、目だけでは追いかけられないので脳を使って追いかけるトレーニングツールとなります。
    1つはトレーニングが出来る、あと1つはMOTスキルを測定出来るので可視化されたトレーニング効果を追いながらトレーニングする事で実感出来ますので、MOTスキルを高める事によって視覚認知能力を高める事に繋がります。

    ーどの様な効果を実感出来ますか?

    斉藤: ポジションにより変わってきますが、キーパーの方が効果を実感しやすいようです。
    継続してトレーニング出来る選手は効果を感じる事が多く、逆にやらないと不安に感じる選手もおり、判断力や瞬発力が向上する手応えを感じたという意見は頂いております。
    我々は、脳波を測ってどの様に変化しているか等を研究論文で紹介しています。

  • ートレーニングで変化を感じる瞬間はありますか?

    斉藤:プロ選手では、レギュラーポジション取れた事で効果を実感する方効果を感じる方がおりますが、効果を感じない方もおりますので、一概に回答する事は難しいです。
    目に見えない効果ですので、なんとなく感じたの様な感覚的な言葉で表現をされる方もおられます。

    ーオフピッチの講義に向けて準備や工夫はされましたか?

    斉藤:講義では簡単なトレーニングの実践を重視しました。
    内容は一流選手の脳の研究より、アマチュア選手と何が違うのか、一流選手の脳がどう違うのかを紹介し、どの様に鍛えれば良いかを講義しました。
    スポーツビジョンとニューロトラッカーを実践する時間を多くとりトレーニングを体感して頂きました 。

  • 信じて取り組んでほしい

    ーオフピッチの講義を通してどのようなプレーヤーが育ってほしいですか?

    斉藤: サッカーではスキルやフィジカルが大事だと思いますが、一要素としてもう少し視覚認知能力やスポーツビジョンを知って頂き、日々のトレーニングに取り入れて頂きたいと思います。
    トレーニングで脳の血流が良くなる事が研究で明らかになっていますので、講義で紹介したトレーニングを練習前に行って頂きたいです。
    体感頂いたトレーニングはプロ選手などに提供させて頂いている内容ですので、信じて取り組んでほしいと思います。

    ー今後の活動を教えてください。

    斉藤: 私自身も大学院でプロ選手の実験を行い、エビデンスを出す事や学術的論文を執筆、紹介する事で納得頂きたいと考えております。
    感覚的な事は個人個人感じ方が異なりますが、エビデンスがある事で納得頂けると思いますので、エビデンスを持ったツールを選手達に紹介していきたいと思います。

OTHER INTERVIEW
 

オフピッチとオンピッチの講義の様子をレポートでお届けします。

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