自分が与えられた制約、条件の中で結果を出そうとする意志が「自分らしさ」を生む
ー三浦さんは柔道をやられていたと伺いました。
部活動や学校の規律はどんなシーンでも大事だと思っておりますが、その規律の中でも自分を表現する必要性を感じており、今回の講義をきっかけに表現者がもっと出てきてくれることを期待しております。
自分を表現するうえでのアドバイス・ポイントを教えていただけますでしょうか?
もしかしたら今回の趣旨とずれてしまうかもしれないんですけど、僕はクリエイターであれ、アスリートであれ無理に自分の個性を出そうとする必要は一切ないと思ってるんですよ。
僕自身もそういった気持ちを持ったことは一度も無くて、とにかく「クライアントさんのビジネスがうまくいように」って、その結果だけをすごく考えています。
柔道のプレイヤーだった時にもとにかく純粋に勝ちたい気持ち、成果を追い求めていたわけです。でも、そうすると当然障害があって、その中でどうやって成果を出すかを考えます。
学生時代、柔道の名門校ではなく進学校だったので、練習時間がすごく短かったんです。そういう制約って常にあるじゃないですか。
結果を出すために必死に制約を乗り越えようと考える時に、自分らしい表現とか、壁を乗り越えるアイデアが出てくると思っていて、その結果、自分らしさって自然と生まれていくので、結果を出すために目の前にある制約をどう乗り越えるかだけを考えていれば、自分を表現しようなんて僕は一切考えなくていいと思うんですよ。
当然、人や環境、持っている才能とかによって制約の乗り越え方が違うわけですよね。
例えば、学校まで遠い子だったら、普通は自転車とか車で通うところを走って通学することで、勝手に体力がつきます。
進学校に通っている子は練習時間が少ないとか、勉強しなきゃいけないけど、夜の2時間削ってYoutubeで有名選手の練習をみるとか。
自分なりに制約の乗り越え方を考え抜いた先で方法を見つけたら、それがクリエイティビティとか、自分らしさに繋がると思うので、自分らしさを出そうって考えることがある意味邪念かなと思うんです。
とにかく、自分が与えられたカード、制約、条件の中で“絶対に結果を出すぞ”っていう強い意志が自分らしさを生むことだと思います。